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弁護士 宮本 督

エッセイ:
to be a Rock and not to Roll

2002.08.25

いらないものが多すぎる

 その昔、ブルーハーツが、「いらないものが多すぎる」って熱唱してた。確か、核兵器のことを歌っていたのかな。大橋巨泉も、「こんなものいらない」ってテレビ番組でやってた。
 そんなわけで、私は、携帯電話を持っていない。こんなものいらないからだ。
 実は、普及しはじめの頃、2年間くらい持っていたことがある。でも、あいつは、時と場所を選ばずに鳴り始める。ある日、事務所で仕事をしていると、ピーヒャララと、携帯電話が鳴った。忙しかったので無視していると、しばらくして、また、ピーヒャララ。さらに、ピーヒャララ。怒った私は、鳴り続ける携帯電話を、そのままデスク脇の床にたたきつけた。あの日で、私と携帯電話の付き合いは終わった。
 その後、携帯電話は爆発的に普及して、今では、持っているのが当たり前になっているようだ。私も、他人の携帯電話には、よく電話をかける。どこかに電話して取り次ぎを願うのが面倒だからで、「ケータイ」は、必ず「直通」だ。考えてみれば、携帯電話を持っていない人はほとんどいない。勝手だけど、「電波が届かないところにあるか電源が入っていない。」と言われると、無性に腹が立つ(こともある)。
 携帯電話の番号を聞かれることもよくある。「携帯をお持ちですか?」とは聞かれずに、「携帯の番号を教えてもらえますか?」と聞かれる。携帯電話が、これだけ普及していると、持っていないのが申し訳ないような気がする。申し訳ないような気がすること自体が理不尽だとも思うが、所詮、この世は不条理で、すべては太陽のせいなのだ。ん?
 正直な話、月に1度くらい、携帯電話が欲しいと思うときがある。公衆電話も減ったし、出張中、事務所からの連絡が入らなくて困ったこともある。
 でも、よく考えると、月に1度のために、こんなものいらない。月に1度のために、こんなもの持ち歩きたくない。邪魔なだけだ。昔もポケットベル機能が付いていたりしたけど、最近のケータイでは、メールもできるようになって、それに飽きたらず、写真まで撮影して送信する機能が付いている。そして、それに群がる皆々様。ご苦労なことです。
 そんなわけで、いろいろあるけど、私は携帯電話を持っていない。
古いヤツだとお思いでしょうが、いらないものが多すぎると思うのであります。