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to be a Rock and not to Roll 宮本 督
虎吉のオッサンと
 私は野球好き。で、巨人ファン。小学生のときだったかな。江川の「空白の一日」事件。あれで、江川のファンになった。でも、そう熱心なファンというわけではない。江川ファンだった少年は、その後、他人に期待することの虚しさ(むなしさ)や儚さ(はかなさ)を「4番サード原」から学んだ。
 野球を観るのは好き。テレビでたまに観ると、巨人を応援はする。でも、アツクなったりしない。別にどうでもいい。そう思える。これは原辰徳のおかげだ。司法試験を受けてた頃は、千葉に住んでたから、ロッテ対オリックス戦のロッテの予告先発が伊良部だったら、マリンスタジアムに伊良部とイチローの対決を観に行くことにしてた。でも、もう10年以上、巨人戦は観に行った記憶がない。要するに、野球は好きだけど、そんなに巨人、巨人といわなくてもという感じだったかな。
 そんな状況に無視できない変化が生じたのは、一昨年10月に大の阪神ファンのおっさんが、うちの事務所に入ってきてから。このおっさん、事務所では、私の隣で執務してる。
 昨年の虎フィーバーは耐えられなかった。毎日、毎日うるさくて仕方ない。ついこの前までの負け癖を忘れ、星野がどうの、金本がどうの、赤星がどうの、井川がどうのと、毎日、毎日、隣で一球ごとに試合の途中経過が更新されるホームページを閲覧して、はしゃいでるこのオッサン。やかましい。仕事せえっちゅうの。阪神が勝った翌日は、必ずスポーツ新聞を買ってきてニタニタしてる。いい年して、オッサンにベタ惚れしてる。気持ち悪いこと、この上ない。
 そんなわけで、昨年は黙ってたけど、巨人ファンな心が再び芽生えてきた。金をかけて、よその四番バッターを引き抜いてくるとか、そんな貧乏人のヒガミ根性には付き合えない。いいじゃない。やっぱ、弱そうなチームに肩入れするヤツって、生まれついての負け犬根性が抜けきれないんだろう。そんな連中には、一生、負け戦(いくさ)を続けてろと言いたい。どうしても言いたい。面と向かって言いたい。大声で言ってやりたい。
 今の巨人には、西武と近鉄とダイエーとヤクルトと広島の四番がいる。オールスター戦でも観られないような打線だ。これを観に行かないというわけにはいかない。
 5月12日、東京ドームに巨人・阪神戦を観に行った。うちの事務所の虎吉のオッサンと一緒。
 清原、阿部、清水、ローズがホームラン連発。ピッチャー井川が火の車になって、いやぁ気持ちいい。まさに火だるま。可愛いんだよ。うちの虎吉のオッサン。火だるま君が、ポカポカとホームランを打たれ出すと、もう駄目。一言も喋らない。ぼそっと、「何やそれ、髪の毛切れよ、アホ、ボケ…」。
 ガハハハ。ヒヒヒッ。可愛いねえ。負け犬君。楽しいねえ。やっぱ、強い者は勝つのだよ。去年のことは夢だったと諦めな。負け犬にだって、20年か30年かに一度くらいは、いいことはあるだろう。でも、そんなん、続くわけがない。だって、目の前にいたあの三塁手(名前忘れた)なんて、ホント下手だもん。安いんだろうねえ。
 試合は、8対2で、やっぱり強い方が勝った。当たり前じゃ。東京ドームから、一緒に事務所に帰ってきた。道中、負け犬のオッサンは一言も発しない。事務所に帰って、仕事再開。でも、虎吉君は喋らない。ときどき、大きなため息が聞こえてくる。あんまり可哀想だから、おごってあげるから飲みに行こうよと誘ってみたけど、睨まれて、返事なし。負け犬のくせに、態度まで悪いなんて、オー怖い。
 あれ以来、仕事で嫌なことがあると、あの日の井川君よりマシな気分だと思うことにしてる。井川君ありがとう。
 そんなわけで、溝口さん。近いうちに、また、一緒に観戦に行こう。もう大人なんだから、「強い方が勝つ」という残酷だけどどうしようもない真実を学んで受け容れた方がいいと思うよ。私がちゃんと丁寧に教えてあげるからさぁ。
(2004.5.23)
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