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弁護士 宮本 督

エッセイ:
to be a Rock and not to Roll

2006.06.30

離婚相談

 弁護士への相談事というのは、世の中の動きを反映していて......と言いたいところだが、正直な話し、私の仕事は、世相をあまり反映していないと思う。
 ただ、離婚の増加を受けて(かどうかは知らないけれど)、どちらかと言うとビジネスの分野に仕事の重心がある私でも、離婚問題は、常時、1件以上は受任している。原因も、争点も、解決も様々だが、離婚事件を取り扱っていて、いつも思うことは、身も蓋もないけれど、お金って本当に大切なんだなということ。
 お金で買えないモノもあるとか、つまんない説教は止めてね。忙しいから。
 お金が大事だよって、それを言っちゃぁ終いよ、なわけだし、もちろんそんなこと、離婚する夫婦の生活に限った話じゃないわけだろうけど、ただ、私が、他人の生活実態を覗き見る機会って、離婚事件を引き受けたときくらいだからねえ。それに、幸福だと見えにくいものが、不幸な現実ではよく見えるってこともあるしね。そう言えば、「幸福な家庭」のことはよく知らないけど、「不幸な家庭」についてトルストイの言うところには賛成し難い。だって、不幸な家庭では、不幸の相というか、不幸の原因は似たり寄ったりなんだもん。
 ある離婚事件では、夫がいわゆるIT企業の社長で、豪勢なマンションと高級外車と...だけでなく、妻が預金を管理して買い物三昧だけでなく、男もつくってやりたい放題だった。ある離婚事件では、リストラされて再就職したてのサラリーマンの夫との離婚を希望する妻が、幼子を抱えて家を飛び出して困り果てていた。
 もちろん、お金のことだけじゃなくて、家や住宅ローンや生命保険や浪費や年金や養育費やって、ゴメン、それもお金にまつわることだけど、そんなことじゃなくて、性格や子供や趣味や学校や職場や飲酒や実家や親戚や年齢や愛人や病気や愛情や憎悪や友人や隣近所や暴力やモノより思い出や、イロイロあって離婚事件になって、そのうち長い年月を経て解決に至るわけだけど、でも、最初から最後まで、モノを言うのは金、金、金なわけで、イヤな話で申し訳ないけど、でも、全部本当の話だから勘弁してもらいたい。
 実は、上に紹介したIT企業の社長夫人と、リストラサラリーマン夫人は同じ年の生まれ。ともに東京近県の出身で、大卒で、(実質的には)専業主婦。容姿はサラリーマン夫人の方が上(と、少なくとも私は思う。)。そういうわけで、さらにイヤな話ですが、つくづく、女の人にとって、どのような男性と結婚するか、必ずしも経済的な余裕だけじゃなくて、精神的な自立の度合いとかも含むのだろうけど、それって、ホントのホントに人生の最重大事なんだなって改めて思います。
 そんなわけで、こないだ同窓会でお会いした皆様も、まだまだ諦めずに頑張ってね。影ながら応援してます。
 関係ありませんが、今月はちょこっとイロイロありまして、今朝、84.8キロでした。みっともない言い訳は止めて、来月は、ちゃんと痩せることにします。