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NAKASHIMA MIYAMOTO ATOORNEYS AT LAW
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to be a Rock and not to Roll 宮本 督
限定的な人生
 ある依頼者との会食中、酔っ払ったその方は、私に、物足りないと思うところがあると言い出した。
 私の父親と同世代の男性であるその社長さんは、ある地方都市で大きな会社を経営していて、地元の弁護士さんと何人か付き合いがあったらしい。これまでの弁護士さんと比べて、私は格段に仕事が速く、アドバイスが的確なんだそうだ。
 でも、その方は言った。
 「先生さぁ、あなたのことを見てると、新しい時代が来たんだ、もう自分たちの時代じゃないんだなって思うんですよ。(ここから誉め言葉だらだら。少しろれつが回ってないんで省略。)。でもね、なんかもっとさ、その力、自分のこととか依頼者のこととか、そんなことだけに使うんじゃなくて、世の中全体を良くしようとか、変えようとか思わないもんですか。私たちの若い頃はさぁ、うん、まあ言っても仕方ないけどさあ。…、ねえ○○ちゃん(と、ホステスさんに話かける)。」
 はい。思いません。って、先方が用意してくれた宴席なわけで、もちろん、その場では何も言い返さなかった。
 実は、これを言われたのはもう1年前。20代の頃なら、酔っ払った老人のたわ言と打ち捨てたに違いない。でも、30代も半ばを過ぎたせいか、こんな言葉が、ノドに引っ掛かった小魚の骨のように、ずっと気にかかっている。
 でもやっぱり、私は、他人のことなんてまったく興味がない。家族と友達と仕事仲間は大切だけど、それ以上のことは、知ったことではない。テレビはあんまり見ない。もちろんミクシィもしない。選挙にも行かない。食事や酒はほとんど知り合いの店にしか行かない。昔から好きだった音楽しか聴かない。ただ、自分の食い扶持を稼いでるだけ。誰にも迷惑はかけない。できることなら50歳くらいまでには引退して(まあ無理かな、でも希望だから。)、田舎で読書三昧の暮らしをしたい。沖縄がいいかななんて思うけど、別にこの国の田舎である必要もない。
 世の中全体を良くしようなんて、ぜーんぜん思わない。もちろん、そんな力が私にあるわけがないけど、仮にそんなものがあったとしても関係ない。
 私は、生活の外延というのかな、興味の領域というのかな、それを外側に押し広げようという気があまりない。まったくないことはないけど、あんまりない。限定的な人生を送っている。それで損をしてるとも思わない。
 社長さんとのギャップは、世代の違いなのか、それだけじゃないのか、1年くらい、いろいろ考えたけど、よくわからない。引退したら、また考えてみることにする。
(2007.4.30)
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