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to be a Rock and not to Roll 宮本 督
コンプガチャって何だか知らないけど
 ソーシャルゲームなんて触ったことは一度もない。これからも、一生、そんなので遊んだりすることはないだろう。そんなわけで、ゴールデンウィーク中に、「消費者庁がコンプガチャが違法でゲーム会社に注意を喚起する方針」と報じられ、ゴールデンウィーク明けに、ゲーム会社の株価が軒並み下落したとか聞いても、遠い国のニュースのように思っていた。
 驚いたのは、この直後、ゲーム会社が揃いも揃って、コンプガチャの終了方針を発表したことだ。相変わらず、コンプガチャって何のことかもよく知らないし、知りたいとも思わないから、これが景表法違反なのかについて意見はない。しかし、消費者庁の意向だか方針だかそんなのが報道されて、担当大臣が違法の可能性があるとか発言しただけで、全部のゲーム会社がサービスを止めてしまったことには耳を疑った。
 まだ排除措置命令が出たわけでもない(私、ソーシャルゲームのことはともかく、法律には詳しいんですが、景表法違反というなら、行政は、そのような命令を出すことができます。)。それに、命令が出た後も、行政が間違っていることもあり得るわけで、そのような命令を取り消すよう裁判で争うこともできる。それなのに、全社が雁首並べての敵前逃亡だ。
 「コンプガチャ万歳。完全に適法だ(大きな声で)。とっても儲かるし(ここは小さな声で)。オレ達は続ける。消費者庁は間違ってる。最高裁まで断固闘う」という姿勢を見せる企業はなかった。ただの一社も、である。だとしたら、ゲーム会社の皆様って、報道前から、実はコンプガチャって違法なんだよねって思いながら、ビジネスを続けていたのだろうか?それとも、ゲーム会社なんて、所詮、ゲームオタク上がりのチキンな連中の吹き溜まりで、どうしようもなく弱腰な気質なのだろうか?相変わらず、コンプガチャって何のことか分からないから、判断(推測)材料に乏しいのだけど、あまりにも情けない対応だ。そりゃ、DeNAベイスターズがあれだけ弱いのも当たり前だろう。
 …と、ここまで書いておいてナンだけど、本当のところを言うと、ゲーム会社の気持ちもまったく分からないわけではない。
 ビジネスモデルが大衆相手のものである以上、たとえ信念に基づく正しい行いでも、世間様の評判を気にしないわけにはいかないからだ。昔と違って、世の中の目は厳しい。というか、あっと言う間に、ヒステリックな集団リンチに発展する。マスコミの思考停止は昔からだが、年を追う毎に攻撃的姿勢を強めているし、ネットには暇人があふれている。少々の失点で、昔なら笑って許されたような話しでも、今では袋だたきにあう可能性も否定できない。そんな中、「業界各社は、皆、自粛したのに、○○社だけは何の反省もない。子供がコンプガチャのやり過ぎで、親のクレジットカード会社から、何十万円もの請求がきた。ひどいわぁぁぁ。」とか、そんないつもとおりの低脳番組をガンガン放送されて、ネットで不買運動でも盛り上がってしまったら、いくら東証一部上場の大企業といっても、ひとたまりもない。裁判で勝訴する頃には、会社が消滅しているかも知れない。
 それともう一つ。コンプライアンス問題だ。法令遵守が声高に言われ、コンプライアンス体制に問題のある企業と取引することも問題ってことになっていて、そうすると、携帯電話会社とか、クレジットカード会社とかが、お国から措置命令を受けているのに、それに従わない会社とは、当面の間、お付き合いを見合わせたいとか言い出す可能性もあって、そうすると、コンプガチャはもちろん、他のビジネスにも甚大な影響が及ぶことは避けられない。
 そんなわけで、ゲーム会社も、本当は、消費者庁とは見解の相違があって闘いたいと思っていたけれど、裁判をやっている間のビジネスへの影響が大きくて、結局、争いたくても争えないという現象が生じてしまったのかも知れない。仮にそうだとすると、コトは、たかがゲームの話しと片付けるわけにはいかない。行政による恣意的な営業規制(しかも正式な規制前の方針発表で事実上の規制が完成してしまう)が許されるのかという、とってもとっても大きな問題ということになる。
 ただ、今回は、消費者庁が営業規制を匂わしただけで、全ゲーム会社が尻尾を巻いて逃げ出したわけで、イロイロ考え合わせても、やっぱりちょっと残念なレベルだよなって思っちゃう。グリーだって、DeNAだって、お互い同士の裁判の際は、あの法律事務所とあの法律事務所に依頼していたわけで、それはそれは気前よく弁護士報酬を支払ってドンドンガンガンやり合ったはずだ。今回も、もう一回、あの事務所とあの事務所に頼んで、思う存分、闘って欲しかったな。
(2012.5.29)
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