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「ゴルフ会員権法律相談」ゴルフワールド
弁護士 宮本 督
Q13 民事再生法手続
 民事再生法が制定・施行され、ゴルフ場の救済にも有用と聞きました。この法律はどのようなものなのですか?
A
 従来の和議法にかわり、経済的に窮境にある債務者の事業または経済生活の再生を図る再建型の倒産手続として、民事再生法が制定・施行されました。この手続をゴルフ場が利用する場合の特色や問題点を簡単にまとめておきましょう。

 民事再生手続においては、会社更正手続と異なり、原則として、従来の経営者がそのまま経営を続けることができます。また、債権者の一般債権の回収行為や担保権者の担保権の実行が自由に認められると債務者の再生が困難になるとの配慮から、一般債権者の強制執行等の権利行使を中止・禁止する制度、担保権の実行としての競売手続を中止する制度や、担保権自体の消滅を請求できる制度等が用意されました。さらに、民事再生法では再生計画案の可決要件が、議決権を有する出席債権者の過半数、かつ、再生債権者の議決権総額の2分の1以上(和議法は届出和議債権者の総債権の4分の3以上)でよいことになり、再生計画案の可決が容易にされました。
 ゴルフ場経営会社が民事再生の申立を行う場合、会員に対しては、相場価格程度まで預託金をカットする再生計画案を示すことになるでしょう。問題は、銀行からの借入債務や造成工事施工業者に対する工事代金債務等、ゴルフ場施設への抵当権の設定を受けている債権者の処理となり、これらについては、担保権消滅制度が利用できるとの期待もあるようですが、このような大口債権者と衝突してしまうと、2分の1以上の賛成という再生計画案の可決が厳しいことになります。結局、従来と同様、破産した場合との対比を梃子に理解を得るよう交渉を進めるよりないと考えられています。
 ゴルフ場経営会社は、バブル期に、バブル期の会員権相場で預託金を集めました。しかし、その後会員権相場は落ち込み、預託金の据置期間が満了すれば、次々に預託金の返還請求を受ける状態にあります。
 集めた預託金はゴルフ場施設になってしまっており、ゴルフ場自体の価値もゴルフ場の造成時と比べて、何分の一にもなってしまっているので、ゴルフ場を売ってしまったとしても、会員全員に預託金全額を返還することはできません。
 それどころか、次々に預託金返還請求権が相次ぎ、強制執行により売上金を差し押さえられてしまえば、資金繰りに行き詰まり、破産することになってしまいます。
 そうなれば会員もプレー権を失うことになり、預託金もほとんど戻ってこないという最悪の状況になってしまいます。
 そこで、預託金額の何割かをカットすることにより、ゴルフ場経営会社の破産を防ぎ、再建させる手続きが民事再生手続きなのです。

 民事再生手続きでは、(1)弁済期にある債務を返済すれば経済的に窮地に陥る状況があれば、支払不能にならなくても申立ができること、(2)これまでは4分の3以上の賛成が必要だったが、債権額の2分の1以上の賛成があれば、債権額の8割カットという厳しい内容でも反対債権者も拘束されること、(3)現在の経営者がそのまま経営を続けられることなど、ゴルフ場側に有利な制度があります。それで、ゴルフ場は、民事再生手続きの申立を次々とするのではないかと言われているのです。
 しかし、他方では、(1)再生計画が可決されると、3年間は裁判所が監督することができること、(2)役員に対する責任追及の制度があること、(3)再生計画が可決されない場合は会社は破産することになることなど、会員側にメリットあるいはゴルフ場にとって不利な制度もあります。
 民事再生手続きで、会員の預託金はどうなるかと言いますと、一般的には、会員権相場に近い金額まで預託金をカットされることとなるでしょう。株主会員制への転換を図るゴルフ場もあるかもしれません。
 会員権の分割や預託金の据置期間の延長も、本来、民事再生手続きで可決すべき問題ですが、これらを民事再生手続きで、可決しようとするゴルフ場は少ないと考えます。
 ゴルフ場経営会社が民事再生手続きの申立をした場合、会員としては、(1)会員が団結すること、(2)決算書類等を分析した上で、再生計画案を検討し、より会員にとって有利な案を検討すること、(3)役員の責任について検討すること、(4)経営者に不信がある場合には、株式を会員に持たせ、経営者に辞任を求めること、(5)場合によっては、会社更生手続きの申立を会員が行うことが必要です。
 ゴルフ場経営会社が再生手続きの申立をした場合、会員は、再生手続きが本当にやむを得ないのか十分考えて行動する必要があります。
 会員としては、再生手続申立前に、預託金の返還を求めるというのもひとつの方法です。
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