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Q14 預託金の将来請求 |
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私が会員になっているゴルフ場では、預託金の据置期間が満了するのは再来年です。預託金を返してもらうため、今から裁判を起こすことは出来ませんか。 |
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A |
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ゴルフ会員契約上の預託金返還請求権は、あくまでも、据置期間が到来してから行使できるもので、期限前には原則として行使することのできないものです。そこで、今すぐに、これを返してくれという裁判を起こすことはできません。
ただ、民事訴訟法では、「将来請求」という訴えが認められています。これは、「あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる」(民訴法一三五条)ものです。ただ、この「必要」性が認められるのは、債務者が、期限に支払をしないことを明言している場合等に限られ、財産状況から見て期限に支払のできない状況にあるというだけでは必要と認められないというのが、判例も学説もほぼ一致した見解です。従って、多くのゴルフ場では、据置期間満了時に、全額一括で預託金を返還することができないことはほぼ自明といってもよいかと思われる状況ですが、それだけでは、この将来請求の訴えは認められないのです。
ただ、据置期間満了前に、ゴルフ場経営会社から、預託金の据置期間を延長したとの通知がされることがありますが、この場合は、当初約束していた期限に返還しないことを明言したことになりますので、将来請求の裁判を起こすことができることになります。
このような通知が来ましたら、弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。
また、ゴルフ場経営会社の方は、事前に、据置期間延長を会員に知らせ、それに同意するようお願いすることは会員に対する誠意である一方、会員から、このような訴訟を起こされる危険性があることを知っておかれる必要があるでしょう。 |
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