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弁護士 宮本 督

エッセイ:
to be a Rock and not to Roll

2013.11.29

実践ビジネス英語

 語学学習者のご多分に漏れず、私も、NHKの英会話番組を利用させてもらっている。英語の番組は、主にレベルに応じていろいろ用意されていて、思えば、中学生の頃には、『基礎英語』なんて、嫌々聞かされていたものだが、現在の10以上のラインアップの中で、杉田敏先生の『実践ビジネス英語』というラジオ番組が、ホントに素晴らしい。これは、1987年から連綿と続いている講座で、途中、別の先生が担当した時期もあったようだが、20年以上は杉田先生が担当しているという、超のつく長寿番組なのだそうだ。
 私が聴き始めたのは2年くらい前のことだが、英語のレベルは相当に高く(NHKの講座の中では最難レベル)、初めて聴いたときは、早口言葉なのか、それとも嫌がらせなのかと思ったほど。
 ただ英語のレベルのことはさておき、この番組が秀逸なのは、語学講座としてよりむしろその題材の方。学習用のスクリプトは、日本人のサラリーマンが、アメリカの会社で活躍する中での会話なのだが、テーマは、「ビジネス」に限定されず、アメリカの社会問題や最新の流行が反映されていて、しかも深く考えさせられるような内容になっている。私が聴き始めてからの最近のものでも、不景気を背景にした就職難、職場の去り方や、上司との関係といったビジネス寄りの話しだけでなく、定年後の人生の過ごし方、ペット、雑談力、学校教育、テクノロジーへの対応、ダイエット、ワークライフ・バランス、中国ブーム、サイレント・オークション、同僚がブータンに行ってきたという話から「幸福」についての話題等々と、トピックは多岐にわたり、日本のトレンドにも通じるこれらの題材は、語学学習というよりむしろ、その中身自体が興味深く、つい引き込まれてしまうものになっていることが多い。
 毎月2つのテーマが用意されているのだが(1回15分で、週に3回の放送。2週間で1テーマ)、テキストには、スクリプトと日本語訳だけでなく、そのトピックについての政治的・経済的・文化的な背景まで書かれていて、よくもまあ、これだけの内容を20年以上にも渡り、毎月毎月、用意し続けられるものだと、呆れながら感心せずにはいられない。
 英語に興味のある方は、是非、トライしてみて下さい。NHKのサイトで、前週分の放送を無料で聴くことができますので。ただ、英語自体は、ホントにハイレベルなのでご注意を。ちょっと難しいという方には、柴原智幸先生の『攻略!英語リスニング』という番組もオススメです。こちらは、歴史や芸術やテクノロジー等について、易しい英語での解説がされる教養番組といった趣です。