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企業のための民事再生の法律相談

弁護士 宮本 督

2. 再生開始決定まで

(7) 民事再生の開始決定がされると

 民事再生手続開始の申立がされた場合、裁判所は、再生手続開始の原因(21条)が認められ、かつ申立棄却事由(25条)が認められなければ、再生手続の開始決定をします(33条)。裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間(94条1項)及び再生債権の調査をするための期間(101条4項)を定めます(34条)。また、裁判所は再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、再生手続開始の決定の主文、債権届出期間および一般調査期間を公告するとともに、これらの事項を記載した書面を再生債務者及び知れている再生債権者等に送達しなければなりません(35条1項、2項)。
 再生手続開始の申立に対する決定に対しては、利害関係のある者は、即時抗告の申立をすることができます(36条)。ただし、再生手続開始の決定はその時から効力が発生するため、即時抗告には執行停止の効力はありません。
 開始決定がされると、再生債権者は原則として再生計画によらなければ弁済を受けることができなくなります(85条)。他方、再生債務者は、原則として業務遂行権・財産管理処分権を保持します(DIP=Debtor In Posession型手続。38条1項)。ただし、裁判所は、一定の事項について同意権限を有する監督委員を選任する監督命令を発するのが通例で(54条以下)、場合によっては、事業遂行権・財産管理処分権を有する管財人を選任する管理命令を発する(64条以下)ことができます(調査委員による経営状態等の調査を命ずる調査命令も可能です(62条以下))。
 また、再生債務者は、債権者に対し、公平誠実義務を負うことになります(38条2項)。開始決定により、強制執行等の手続は中止しますし(39条)、登記は効力を生じなくなります(45条)。また、双務契約においてその双方の債務履行が未だ完了していないものについては、再生債務者等(再生債務者、管財人が選任されている場合には管財人)がその履行・解除を選択できます(49条以下)。なお、開始決定は、再生債務者に属しない財産を取り戻す権利(52条。取戻権)や再生債務者の財産の上に設定された担保権(53条。別除権)に影響しません。また、相殺権に関しても、手続開始後に取得した債権に基づく等の場合にはその行使が禁止されます(93条)。