中島・宮本・溝口法律事務所
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一覧経営再建をあきらめる前に東京でスタートした新倒産手続
企業のための民事再生の法律相談
企業のための民事再生の法律相談
弁護士 宮本 督
3.民事再生と債権者
(4) 共益債権の取扱い
 民事再生手続においては、再生債権者全体の利益になるような請求権等を、「共益債権」として再生債権とは別に扱い、手続中に随時、他の債権に先立って弁済を受けられることとしています。民事再生法上の共益債権は、破産手続における財団債権(破産法47条)や会社更生手続における共益債権(会社更生法208条)に相当するものです。
 共益債権となる権利については、119条・120条が一般的に定めていますが、他の規定で個別的に定められているものもあります。主な共益債権は、以下のようなものです。
〔1〕 再生債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権(再生手続開始申立ての費用や保全処分申立ての費用など。119条1号)
〔2〕 再生手続開始後の再生債務者の業務、生活、財産の管理処分に関する費用の請求権(原材料・商品の仕入などの費用。119条2号)
〔3〕 再生計画遂行に関する費用の請求権(119条3号)
〔4〕 監督委員・調査委員・管財人・保全管理人に支払うべき費用・報酬等の請求権(119条4号)
〔5〕 再生債務者財産に関して再生債務者等が手続開始後にした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権(119条5号)
〔6〕 事務管理・不当利得により手続開始後に再生債務者に対して生じた請求権(119条6号)
〔7〕 その他手続開始後に生じた、再生債務者のために支出すべきやむを得ない費用の請求権(株主総会の招集・開催費用など。119条7号)
〔8〕 再生手続開始申立て後開始決定前に、裁判所の許可または監督委員の同意を得て、再生債務者・保全管理人がした資金借入れ・原材料購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為によって生ずる相手方の請求権(120条)
〔9〕 双方未履行の双務契約について債務の履行が選択された場合の相手方の請求権(49条4項)、解除が選択された場合の相手方の利益返還請求権(同条5項)、及び継続的給付を目的とする双務契約について、相手方が再生手続開始申立て後開始決定前にした給付にかかる請求権(50条2項)
 以上のように、共益債権の主なものは、手続開始後に発生した再生債権者全員の利益となるような請求権です。特に、〔8〕は、従来の和議手続や会社整理手続においては、手続申立ての後、開始決定前までの期間に、事業の継続にとって不可欠な行為を債務者が行なった場合、相手方の債権を保護する規定がなく、債務者の事業の再建の大きな障害となっていたのを会社更生法の規定にならって導入されたものです。またこの他、手続開始前に発生したものでも、それを共益債権とすることで事業再生を容易にできるものや、相手方との公平の配慮から優先すべきものも含まれます。
 共益債権は、再生手続によらないで随時弁済を受けることとされており(121条1項)、再生債権に優先して弁済されることになります(同条2項)。また、弁済が滞るようであれば、共益債権に基づいて強制執行を行うこともできます。
 ただし、このような強制執行がまったく無制限に許されるとすれば、例えば債務者の主力工場など再生債務者の事業の再生にとって必要不可欠な財産に対しても強制執行や仮差押えがなされることにより、事業の再建を図ることが不可能となってしまいます。そこで、民事再生法においては、共益債権に基づいて再生債務者の財産に対し強制執行または仮差押がされている場合で、[1]それが再生に著しい支障を及ぼし、かつ、[2]再生債務者が他に換価の容易な財産を充分に有するときは、裁判所は、その強制執行又は仮差押えの中止又は取消しを命ずることができます(121条3項)。なお、この命令を申し立てることができるのは、管財人が選任されている場合は管財人、選任されていない場合は債務者ですが、裁判所が職権で命ずることもできるとされています。
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