銀座数寄屋通り法律事務所[旧 中島・宮本・溝口法律事務所] >HOME

企業と法律

企業倒産

企業のための民事再生の法律相談

弁護士 宮本 督

4. 再生債務者の財産調査・財産確保

(2) 再生債務者の裁判所への報告

 再生債務者等は、再生手続開始決定後、遅滞なく、下記事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければなりません(125条)。

[1] 再生手続開始(倒産)に至った事情
[2] 再生債務者の業務および財産に関する経過および現状
[3] 再生債務者(法人)の役員(取締役等)に対する損害賠償請求権につき、役員の財産に対する保全処分または査定の裁判(審尋手続による簡易な裁判手続)を必要とする事情の有無
[4] その他再生手続に関し必要な事項

 これらは会社更生の場合の更生管財人の報告義務と同旨です(会社更生法179条)。また[1]と[2]は、破産の場合の破産管財人の報告義務と同じです(破産法193条)。

 これらは、債権者と裁判所に対する情報提供のためです。特に債権者に対する情報提供は重要で、債権者は、再生計画案の当否等を判断する資料として、また、自ら再生計画案を作成するための資料として活用することになります(届出再生債権者も再生計画案を作成することができます。163条2項)。

 そして、これを開始決定後1ヶ月程度で提出させるのが東京地方裁判所の運用です。

 これらの書類については、裁判所に提出するだけでなく、債権者に閲覧・謄写権を認め(17条)、さらに、再生債務者に対し、報告書の内容を債権者に積極的に周知させる義務を課しました。つまり、再生債務者は、この報告書の要旨を記載した書面の送付、債権者説明会の開催、その他の適当な措置をとらなければならないとされています(規則63条)。