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企業のための民事再生の法律相談
企業のための民事再生の法律相談
弁護士 宮本 督
4.再生債務者の財産調査・財産確保
(4) 否認権行使の方法
 否認権の行使できるのは、裁判所から否認権限を付与された監督委員(56条1項)または管財人に限られ(135条1項)、再生債権者らとしては、利害関係人として、裁判所に対し、監督委員に否認権限を付与するように申し立てることができるだけです(56条1項)。

 ただし、監督委員としては、裁判所による否認権限の付与があれば必ず否認権を行使しなければならないというわけではなく、必要な費用や負担、否認権行使による財産回復の可能性、回復される財産の価値等を総合的に考慮して、必要があると判断した場合にだけ実際に否認権を行使することになります。

 監督委員等による否認権の行使は、否認の訴えまたは否認の請求によることになります(135条1項)。ただし、監督委員は、否認権行使のために訴訟参加するという制度が用意されました(138条1項)。これは、否認訴訟以外の再生債務者の財産に関する訴訟では、当事者となる者は監督委員ではなく、再生債務者であるため、監督委員を当事者とする否認訴訟と再生債務者を当事者とする訴訟とが別々に審理されることになり、判決内容の矛盾が生じるおそれ等を回避するためです。また、先に監督委員による否認訴訟が係属している場合に、再生債務者が否認訴訟の目的である権利または義務に関する請求をするときは、再生債務者は、相手方を被告として否認訴訟に当事者として参加することができることにもなりました(138条2項)。

 なお、否認権行使は、それが否認の請求による場合であれ、否認の訴えによる場合であれ、民事再生法に基づく再生手続内の手続ですから、その行使中に再生手続が終了した場合、否認権は消滅してしまい、たとえ否認権が行使されていたとしても否認訴訟は当然に終了し、債務者がこれを承継することはできないと解釈されていて、会社更生のケースでは、このように判断した判例もあります(東京高等裁判所昭和37年1月29日判決)。

 また、再生手続開始当時において、詐害行為取消訴訟が係属しているときは、再生手続の開始によってその詐害行為取消訴訟は中断します(140条1項)。民法上の詐害行為取消権は、総債権者のために逸出した債務者の財産の回復を図るという点で、民事再生法上の否認権と制度趣旨が共通し、再生手続開始のときに詐害行為取消訴訟が係属していた場合に、これと無関係に否認権の行使を新たに始めるのは訴訟経済上無駄ですから、再生手続上の否認訴訟に切り換えることを認めたものです。そして、140条1項によって中断した詐害行為取消訴訟は、管財人または否認権限を付与された監督委員において、これを受継することができ(140条2項前段)、詐害行為取消訴訟の相手方も、受継の申立をすることができます(140条2項後段)。

 140条1項によって中断した詐害行為取消訴訟について、監督委員等による受継がされないまま再生手続が終了したときは、詐害行為取消訴訟を提起した者がその訴訟手続を受継します(140条3項)。また、監督委員等による受継があった後に再生手続が終了したときは、その訴訟手続は再び中断し(140条4項)、詐害行為取消訴訟を提起した者がその訴訟手続を受継することになります。(140条5項前段)。
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