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企業のための民事再生の法律相談
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弁護士 宮本 督
9.再生計画と履行の確保
(3) 再生計画案の決議
 再生計画案が提出された場合、裁判所は、再生計画案が決議に付するに足りないものと認めて手続廃止の決定をする(191条2号)場合を除き、労働組合等の意見を聴いた上で(168条)、決議に付することになります。
 なお、民事再生法では、債権者集会を開催しなくても、書面決議によって再生計画案を決議することも許されることになりました(171条1項、172条)。書面決議に付する旨の決定は、裁判所が「相当と認めるとき」にされます(172条1項)。ただし、再生計画案の決議は、集会決議が原則ですから、書面決議に付された場合でも、再生債務者、管財人、債権者委員会、または総再生債権者の10分の1以上にあたる再生債権者が、書面決議の回答期間中に決議のための債権者集会の招集を申し立てたときは、裁判所は書面決議の決定を取り消して、決議のための債権者集会を招集しなければなりません(172条5項)。
 裁判所は、集会の招集に際しては、予め、再生計画案またはその要旨を記載した書面を、再生債務者、管財人、届出再生債権者らに対して送達しなければなりません(171条2項、115条1項、2項)。実務上、集会の呼出状と再生計画案(またはその要旨)は同時に送達されています。また、東京地方裁判所では、再生計画案に対する監督委員の意見書(またはその要旨)と議決票を同封する運用がされています。
 これに対し、裁判所が再生計画案を書面による決議に付する旨の決定をした場合は、その旨が公告された上で、再生債務者、管財人、届出再生債権者らに対し、再生計画案を記載した書面とともに、再生計画案に同意するかどうかを裁判所の定める回答期間内に書面で回答するべき旨を記載した書面(通知書)が送達されます(172条2項)。債権者集会が招集される場合には、再生計画案の要旨を記載した書面でも足りますが、書面決議の場合には、集会において補足説明を行う機会がないため、再生計画案そのものを記載した書面を送達しなければなりません。回答期間は、書面決議に付する旨の決定がされた日から2週間以上3カ月以下(議決権者で日本国内に住所、居所、営業所または事務所がないものがある場合には、6週間以上3カ月以下)でなければなりません(規則91条1項)。また、書面による議決権行使をするための書面(議決票)も同封され、再生債権者は議決票を用いて議決権行使をしなければなりません(規則91条2項)。
 債権者集会における再生計画案の決議の可決要件は、(1)議決権を行使することができる届出再生債権者で出席した者の過半数であって、かつ(2)議決権総額の2分の1以上の議決権者の賛成です(171条4項)。書面による決議の場合の可決要件も基本的に同じで、ただ、回答期間内に書面で同意するかどうかを回答するという決議の性質から、(1)回答期間内に再生計画案に同意するかどうかを書面で回答した議決権者の過半数であって、かつ、(2)議決権総額の2分の1以上の議決権者の同意とされています。和議や会社更生の可決要件と比較して、大幅に緩和されていますが、この可決要件は、議決権総額が分母となっているため、議決権者が議決権を行使しなかったり、無効の投票をすれば、反対と同じ効果を生じることに注意する必要があります。
 再生計画案が否決されたとき、または、集会期日が続行された場合で、集会の第1期日から2カ月以内(その期間が伸長された場合には、その期間内)に、再生計画案が可決されないときは、再生手続は廃止されることになります(191条3号)。
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