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ゴルフ場問題Q&A
(「ゴルフ会員権法律相談」ゴルフワールド)

弁護士 宮本 督

Q8 念書売買で売主が行方不明になったとき

名義書換停止中のゴルフ場の会員権を購入しました。しかし、名義書換停止が解除されたところ、売主の行方が分からなくなってしまいました。ゴルフ場は、名義人である売主の印鑑証明書がなければ名義書換は認めないとの一点張りです。どうすればよいでしょうか。

A

 名義書換停止中のゴルフ会員権について行われるいわゆる「念書売買」も当事者間では有効な売買契約で、この時、売買契約によって生じる義務として、売主は、買主に対し、名義書換開始後に名義書換に協力する必要が生じます。したがって、買主であるあなたは、売主に対し、「名義書換手続をせよ」という訴訟を起こせば勝訴することができ、その判決書と判決が確定したことを示す確定証明書を添えて、ゴルフ場に対し名義書換を申請すれば、ゴルフ場は名義書換を拒絶できません。
 ただ、ご質問の場合、売主である名義人が行方不明となってしまっていますので、訴訟を起こすこともできないのではないかとも思われますが、「公示送達」といって、裁判所で訴状等を一定期間掲示板に掲示する方法を使って訴訟を起こす方法が民事訴訟法によって認められています。
 しかし、公示送達の方法を用いるには、被告とした人の住居所等を充分調査した上で、原則として公示送達の「申立」をする必要があり、しかも、相手方が裁判に出席しなくても、名義人とあなたの間で売買契約が行われたことと、その売買契約の内容を証明する必要がありますので、しっかり準備する必要があります。