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NAKASHIMA MIYAMOTO ATOORNEYS AT LAW
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to be a Rock and not to Roll 宮本 督
俗世の合わせ鏡としてのオウム
  先月のエッセイで、東大入試のこと書いてたら、その翌日、麻原ショーコーに死刑判決の言い渡しがされた。オウムについては、語り尽くされた感があるけど、オウムの信者だった連中って、私、ほぼ同世代。そういえば、学生時代、学園祭に麻原とかも来てた。当時(サリン事件前)の論調としては、金儲け目当てのインチキ新興宗教とは異なり、世俗からの解脱とかと真摯に向き合ってる唯一の新興宗教って感じで、東大の医学部とか理学部とか、主に、理科系で優秀といわれる連中が、こぞって出家信者やってた。直接、仲のいい友達っていうわけじゃないけど、友人の知り合いとか、知り合いの友人のレベルでは、かなりの数の学生達が、当時、準幹部クラスとして、ワイドショーなんかで、顔写真とホーリーネームとかと一緒に紹介されていたっけ。
 よく、「頭のいい人が、何で騙されるんだろう」って、低レベルな議論を耳にしたけど、例えば医学を志してる回転の速い頭脳の持ち主は、医学の限界とかを悟るのも早くって、私たちの頃って、そんな連中の鬱屈とした感じ、閉塞感っていうのかな、そういうのを引き受けて受け皿になる政治運動とかも流行ってなかったし、そんなわけで、秀才くん達の中でも女の子に相手にされないようなのが、上手く暇をぶっつぶせなくて、いや、大学生ってメチャクチャ暇で、膨大な時間を持て余してるわけだからさ、それで、絶対的な存在への帰依を欲して、最終解脱とかハルマゲドンとか、そんなんに真面目に取り組むってのは、正直な話、同じ時代、同じような経歴で、同じような場所で生きてた私なんかにとっては、少しだけアンダースタンダブルだった。
 あの準幹部クラスの連中、多くは、死刑とか無期懲役とかになってないと思うから、多分、もう懲役を終えて社会復帰してるか、そろそろシャバに戻ってくる頃なのだろうと思うけど、んで、どうしてるんだろう?
 余計なお世話だけど30歳過ぎで、元スーパーエリート。でも、どデカイ失敗のおかげで、うっかり経歴を明らかにしたら、社会の「まとも」な方々は、とても相手にしてくれないだろう。つっても、東大中退の理由も、中退後の経歴もうまく作ることもできないだろうし。
 寒いだろうなあ。忘れられない成功体験があるだけにね。いや、人にもよるけど、東大の医学部に合格するなんて、地方出身者であればあるほど、地元の新聞にデカデカと取り上げられたりしてたんだよね。
 私なんか、連中より不真面目だったからか、連中より頭悪かったからか、今、「まとも」な職業に就いて、毎日、何とか暮らしてる。連中の多くは、別に、誰かを殺したわけでもないし、サリンとかまいたわけじゃない。真面目に、異常なほど真面目に人生とか世の中の矛盾とかと向き合って、それで、たまたま麻原の教義に救いの光を感じて、せいぜい、サリンの用途とか何も知らされずに、サリン生成過程の化学実験とかに関わってたに過ぎないと思うけど、でも、そんなこといっても、麻原を頂点とするあの組織の犯罪は、イメージ悪すぎるもんね。
 いや、別にね。必要以上に連中のことかばうわけじゃない。もともと、あーゆーのにカブレるようなヤツらって、相容れないというか、気が合わないというか、だから、私の仲のいい友達には、一人も信者はいなかった。でもね、今、大人になって、それで、みんなどうしてるんだろうって、素朴な疑問を感じただけ。
 だけど、あーゆーのって、「まとも」な社会の「合わせ鏡」みたいなものでね。当時でも、今でもそうだけど、特別な人だけが変な病気にかかっただけって思ってる人が多いみたいだけどさ、多分、誰にでも、麻原への帰依はあり得たと思う。まあ、今は、忙しくて、あんまり真面目に考える暇もないから、この程度にしておくけど。
(2004.3.14)
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