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企業のための民事再生の法律相談
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弁護士 宮本 督
9.再生計画と履行の確保
(2) 再生計画案の内容
 再生計画においては、再生債権者の権利を変更する条項と共益債権・一般優先債権の弁済に関する条項を定めなければならず(154条1項)、そのほか、債権者委員会が再生計画の履行を確保するための関与を行うとした場合において再生債務者がその費用を負担するときや、資本の減少を行うとしたときには、これらに関する条項をも定めなければなりません(154条2項・3項)。再生計画は会社更生手続上の更生計画に相当するもので、そこで定めるべき条項は、基本的には、会社更生法にならって規定されています。
 まず、再生計画では、再生債権者に対する今後の弁済計画が中核部分ですから、再生債権の権利変更の一般的基準(債務の減免、期限の猶予及びその他の権利の変更)を必ず定めなければなりません(154条1項・156条。ただし、未確定の再生債権や別除権行使不足額の未確定債権については除きます。157条1項但書)。この一般的基準が和議手続における和議条件にあたるものです。
 権利変更条項については、まず、再生計画による権利の変更の内容を、再生債権者の間では平等なものにしなければなりません(155条1項)。ただし、ここでいう「平等」とは、形式的な意味のそれではなく、公正と衡平を考慮した実質的な意味での平等であれば良いとされています。具体的には、同条項但書において、[1]不利益を受ける再生債権者の同意がある場合、[2]少額の再生債権、[3]84条2項に掲げる請求権(再生手続開始後の利息・損害賠償請求権等)について別段の定めをすることが認められています。また、再生計画によって債務が負担され、または債務の期限が猶予されるときは、特別の事情がある場合を除いて、再生計画認可決定の確定から10年を超えない範囲で、その債務の期限を定めなければなりません(155条2項)。これは、会社更生手続において同様の期限として定められている期限(20年)の半分の期間ですが、民事再生は、主として中小企業を対象とする手続で、会社更生よりも迅速な手続として早期に終結すべきとの要請が強いこと等が考慮された結果と思われます。
 また、再生計画案においては、共益債権及び一般優先債権の弁済に関する条項を定めなければなりません(154条1項)。これらの債権は、再生手続によらず随時弁済されるもので、再生計画の定めによる権利変更の対象になるものではありませんが、これらの債務の存在は、一般の再生債権者への弁済の可否や額に重大な影響を及ぼすことから、再生計画案への記載が義務付けられています。
 これらの他、民事再生法所定の事由が発生する場合には、必ず記載しなければならない事項(相対的必要的記載事項)として、(1)債権者委員会に関する費用負担の条項(154条2項)、(2)債務の負担及び担保の提供に関する定め(158条)、(3)未確定の再生債権に関する条項(159条)、(4)別除権不足額の債権の行使に関する条項(160条)があります。
 このうち、(4)別除権不足額の債権の行使に関する条項については、別除権者は、再生手続によらないで別除権を行使することができ(53条2項)、その行使によって弁済を受けることのできない債権の部分(不足額)についてのみ、再生債権者としての権利を行使することができるとされているところ(88条)、別除権の実行には通常相当期間を要し、その結果、不足額が確定しないうちに、再生計画を作成・提出しなければならない事態が発生することから、別除権の行使によって弁済を受けることのできない債権の部分が確定していない再生債権を有する者があるときは、再生計画において、その不足額が確定した場合における再生債権者としての権利の行使に関する適確な措置を定めなければならないとしたものです。
 なお、この他、再生計画の具体的内容に応じて任意に記載できる事項(任意的記載事項)として、資本構成の変更に関する条項(154条3項)や、根抵当権の極度額を超える部分の仮払いに関する条項(160条2項)が予定されていますが、この他、再生のために必要な事項を任意に再生計画において定めることは許されると考えられています。
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